「4.25県民大会in読谷」向けての、県内市町村の動きが活発化している。米軍基地を抱えるうるま市と浦添市は同大会に向けて地域実行委員会を結成することを決定した。両市では同大会への市長の参加はもちろん、10万人規模集会の開催に向けて、地元での大会開催、大型バスの運行等を予定しているという。その他、糸満市も実行委員会設置に前向きな姿勢を示しており、同大会成功へ向けての動きはさらに広がりそうである。

 市町村長の参加については、嘉手納町長、宮古市長が参加を表明している。

 仲井真知事の出席については、自民党県連も参加を要請する見通しだ。知事の不参加は次期知事選への影響が大きく、不参加の場合は擁立は困難だとの見方も出ており、知事の去就が注目される。

 同大会が開催される読谷村運動広場はこちらです。(クリック)

 普天間飛行場の国外・県外移設を求める県民大会は、4月25日(日)、読谷村運動広場で開催される。その実行委員結成総会が昨日開催された。県民大会の名称は次のとおりである。
「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」
 超党派による大会であり、実行委員会は10万人規模の大会を目指す。共同代表に県内労働界、経済界のトップに就任を要請しているほか、大会への出席を表明していない、仲井真知事に対しても出席と意見発表を要請しているという。
 実行委員会開催の前日には沖縄県市長会が、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める決議を全会一致で採択した。
 これらにより、沖縄の民意が普天間飛行場の県内移設を許さないことは明白となった。
 沖縄の民意を示すための「4.25県民大会in読谷」は成功させなければならない。沖縄の民意を理解しない政治家は去れとのメッセージをきちんと示さなければならない。

 普天間飛行場移設問題について、これまでに出されたキーワードから考えてみたい。
 鳩山政権が掲げたのは、「最低でも県外」との言葉にも示される、「(普天間飛行場の)危険性の除去」「(沖縄の)基地負担軽減」、そして「抑止力の維持」「日米関係の深化」である。
 新聞報道に見る米国のキーワードは「危険性の除去」「基地負担軽減」、「米国の影響力の維持」「日米関係の深化」である。
 沖縄の民意が示すキーワードは「危険性の除去」「基地負担軽減」である。
 これらのキーワードの中で喫緊の課題は何か。「危険性の除去」である。鳩山政権が掲げる「抑止力の維持」も、米国が掲げる「米国の影響力の維持」も代替措置が可能である。キャンプシュワーブ陸上への飛行場建設案やホワイトビーチ沖合埋立案が受入れられなければ普天間飛行場が残るとする見方は短絡的であり、政治的無力を示すことに外ならない。
 沖縄の民意を根拠として、辺野古沿岸埋立現行案の破棄を米国に求めたのは鳩山政権であり、逆に地元の同意をなければ日本政府の新移設案は受け入れられないとしているのは米国政府である。日米両政府がキーワードに掲げる「日米関係の深化」のためには、双方が認めるとおり沖縄の民意が必要である。
 これまで沖縄が果たしてきた日米関係安定への貢献に報いることが、沖縄の民意を得ることにつながるのではないのか。「日米関係の深化」のためには沖縄の理解を得ることが必要であることは日米両政府が認めるところであるならば、「危険性の除去」「基地負担軽減」を最優先に解決すべき課題として掲げ、問題解決にあたるべきであり、それこそが最善の解決策となるのである。

 昨日の平野官房長官との会談を終えた仲井真知事の記者の質問へ答える知事の表情は極めて厳しかった。政府の移設先選定作業について詳細な説明がなく不満であるとの姿勢を示した。知事は、沖縄の民意が基地の県外・国外移設で固まっていることを受け、県外移設の公約どおりしっかり取り組んでもらいた旨を要望したという。

 しかしながら、4月25日に予定されている県民大会への参加については明言していない。それどころか開催そのものについて疑問を提示している。大会は、超党派で開催され、米軍普天間飛行場の沖縄県内の移設に反対する県民大会であり、県内の市町村長や経済界、市民団体、労働団体などに参加を呼びかけ、10万人規模の集会を目指す。 この大会に対して仲井真知事は「どういう趣旨で、どんなふうにやるものなのか、少し頭の整理をしてみたい」と、態度を保留している、と報道されている。

 これまでの普天間問題についての仲井真知事の姿勢はあやふやなものであった。県内移設を容認しているのではないかという時期もあったが、現在は沖縄の民意の実現を政府に迫っている。10余年に渡りキャンプシュワーブ移設のために力を尽くしてきたことが足かせになっているのであろうか。このままでは普天間が残り、危険性が除去されないという懸念があるのだろうか。

 この問題の発端は、普天間飛行場の危険性の除去である。その方途は沖縄の基地負担の軽減に資するものでなければならない。県内移設は認められないし、ましてや東海岸を埋め立てて嘉手納飛行場規模の基地建設など論外である。

 4月25日に予定されている県民大会には、仲井真知事も参加し、沖縄の民意がきちんと示される機会になるように期待したい。 

 “最低でも県外!”鳩山首相が明言してから、普天間飛行場移設先選定作業は揺れ続けている。昨今の閣僚の発言は、当初の、沖縄の負担軽減を実現するために、からだいぶかけ離れてきたように思う。米国の意向に重点が移りつつあるのではないか。ところが、ここへ来て、当の米国から地元の同意が必要との条件をだされ、こう着状態に陥っていると報道されている。 

 鳩山首相は、3月末までに政府案をまとめるとの自らの発言について、5月末までにはまとめるのだから、3月末にまとめられなくても大したことではないと発言している。当初、5月までにまとめるための過程を考えれば3月末までには政府案を出すことが必要だと言ったのは誰だったのか。“大きな公約を実現するためには、小さな公約が実現できなくても大したことじゃない”と発言し、政治家としての資質を問われた小泉元首相と、その姿が重なったのは私だけではあるまい。

 昨日の党首討論で、鳩山首相は“腹案”があると述べた。民主党の公約である“沖縄の負担軽減を実現するための普天間基地の国外、県外移設”を踏まえた腹案であることを願いたい。

  この事件は、社会保険事務所に勤務する国家公務員が休日に自宅周辺で、他人宅の郵便受けに赤旗を配布したことについて、国家公務員法違反(政治的行為)の罪に問われた事件である。
 国家公務員法違反(政治的行為)の罪とはどのような罪だろうか。
 国家公務員法102条は国家公務員の政治的行為を禁止している。政治的行為の具体的内容は人事院規則で定めるされ、人事院規則一四―七(政治的行為)には禁止される政治的行為が定められている。その6の七に「政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること」が定められている。つまり、政党の機関紙を配布してはならないと規定されているのである。
 今回の事件では、被告は赤旗配布の事実については争わず、政治的行為を制限する規定自体の違憲性を争った。1審では罰金10万円、執行猶予2年の有罪判決を受けた。この判決について、東京高裁は原判決を破棄して無罪判決を言い渡した。
 判決要旨によれば、東京高裁は、「本件配布行為に罰則規定を適用することは、国家公務員の政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度を超えた制約を加え、処罰の対象とするものと言わざるを得ないから、憲法違反との判断を免れず、被告は無罪だ。」とした。更に【付言】の中で、「わが国における国家公務員に対する政治的行為の禁止は一部とはいえ、過度に広範に過ぎる部分があり、憲法上問題がある。地方公務員法との整合性にも問題があるほか、禁止されていない政治的行為に規制目的を阻害する可能性が高いと考えられるものがあるなど、政治的行為の禁止は、法体系全体から見た場合、さまざまな矛盾がある。」とし、禁止規定そのものに憲法上の問題があると指摘している。
 国家公務員といえども、一般国民と同様思想信条の自由を有し、その制限は限定的なものでなければならないとの指摘でありもっともであると思う。

判決要旨を読みたい方はこちらをクリック

  普天間飛行場移設先について、政府はホワイトビーチ沖合埋立案を模索しているという。政府は、埋立反対を示したうるま市議会の幾人かの議員と接触したという。接触した議員の中には受入条件としての振興策が市の活性化につながるものであれば、賛成に回ることもあると述べたと報道されている。政府と議員らとの間でどのようなやりとりがなされたかは不明であるが、ここへ来て、政府が本気でホワイトビーチ沖合埋立を考えていることが明らかとなった。 
 海岸でシギとハマグリとが互いにかみつき、相手を離さず争っている間に、両方とも漁夫に捕らえられたという。漁夫の利である。互いに争うことはどちらの益にもならず、誰を利する結果となるのか。そこで必要なのは徹底した議論であり、冷静な判断である。町を二分する争いは絶対に避けなければならない。
 振興策の意味合いが変化していると指摘される。基地あるが故に遅れている社会資本整備を目的とするものから、基地受入れに対する恩恵へと変わってきているというのだ。宮本教授は「わいろ性を高めている」と指摘する。
 沖縄の民意の切り崩しの動きには注意が必要である。

  今日、3月28日、浦添市美術館で開催中の『ピカソとルートヴィヒ美術館所蔵20世紀美術の巨匠たち 』を見てきた。2月6日から開催され、今日が最終日。見に行きたいと思っていたが、なかなか時間が取れずにやっと最終日に行くことができた。

 美術館の開館は午前9時30分。開館前に到着したのだが、すでに50人程が列をなしていた。子供連れの家族が多い。私も列に交じって開館を待った。いよいよ入館である。

 私自身は絵画を見るのは好きだが、ルートヴィヒ美術館所蔵20世紀美術の巨匠と言われてもさっぱり分からない。知っているのはピカソだけ。小学生か中学生のころ、初めてピカソの絵を見たときの衝撃が忘れられなかった。前を向いているような、横向きのような顔の絵や、さまざまな物が組み合わさったような絵。何が書いてあるのかよくわからない。しかし、記憶にだけは確かに残ってしまったへんてこな絵。その後、ピカソの絵画解説書の中で、ピカソの絵を10人が模写すると10人が全く異なった絵を描くと記されていた。その理由はピカソの絵にはピカソが見たたくさんの情報、例えば顔の絵であれば正面、横顔、真上、真下から見た要素が巧みに描かれており、見る者にとっては何を見たかにより模写した絵が異なってくるというのだ。そのことが忘れられず、その原画が見られるとのことだったので、足を運んだのである。

 展示されたピカソの絵は8点。中でも気になったのは『読書する女の顔』である。正面を向いているような、横顔のような、下には本をめくる指が描かれいる。私が距離を置いて、眺めていると、私の左側の絵を見ている女性の横顔が、私と『読書する女の顔』の間にすっぽりとはまった。きれいな女性だった。その横顔と絵がみょうにはまったのでしばらく見とれてしまった。

 次におもしろかったのは、『剣を持つ銃士』を眺めていたときだった。大きな絵なので距離をおいて眺めていたら、3歳くらいの男の子が退屈そうに、『剣を持つ銃士』の前で体操のような動きをしたかと思ったら座り込んで、終いには寝そべってしまった。どんなときでも子供は自由である。20世紀美術の巨匠も、まさに、かたなしである。たしかに、よくわからない絵がたくさん並んでいるなかでは退屈だ。20世紀美術の巨匠の作品よりも、どんなときでも自由な子供のほうが勝っていると思った瞬間だった。

 『森の精』(ポール・デルヴォー作/ピカソではない)もおもしろかった。森の精だから、服をまとっていない。若い女精(こう表現することにする)の裸の絵だ。ただ、森の精だから妖艶なところはなく、体の線もまっすぐに描かれている。微塵の色気も感じさせない。ところが、陰毛が丁寧に描かれている。いく人かの女精が描かれているが、いずれも同様である。しばらく、眺めた後、視線をずらすと中学生くらいの娘を連れた中年の女性と目があった。私を見つめている。私も見つめ返すと、視線をそらして、行ってしまった。そうか、女の裸に見とれている私を変なおやじと思ったにちがいない。変なおやじには違いないが、妖艶さを微塵も感じない絵を見つめている私を変態扱いするほうがおかしいよな、と思った。

 40分ほど眺めたが、気づくと、館内は満員状態になっている。帰宅しようと駐車場に向かうと満車状態。最終日とあって、多くの人々が訪れてきたに違いない。

 いい知れぬ余韻浸りながらに、私は美術館を後にした。

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 普天間飛行場移設案の一つとして、政府は、ホワイトビーチ沖合いを埋め立て、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を建設する案を提起しているという。米軍基地だけでなく、那覇空港を共用する自衛隊基地も移転する計画だという。たしかに、沖縄県の中心地である那覇市から米軍港や自衛隊基地が移転すれば観光を中心とした産業育成に寄与することは間違いない。しかし、移転先が問題である。またもや県内。辺野古沿岸部埋立案へ反対の民意は、県内移設が問題だと言っているのであり、名護市以外の市町村ならどこでもいいとは言っていない。少なくとも県外、あたりまえのことである。

 嘉手納米空軍基地の広大さをご存じだろうか。4000m級滑走路を2本有し、極東における米軍の最重要基地と言われている。それと同様の規模の基地、いや、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を造るというのだから、嘉手納基地よりも広大な基地を県内の東海岸沿いに建設しようというのである。これが、完成すれば、これまで絶対に避けなければならないとされてきた基地の固定化が一気にすすむことになる。基地の島沖縄の完成である。

 このような計画は暴挙というしかない。正気の沙汰とは思えないのである。

 沖縄の基地負担の軽減を声高に言う民主党鳩山政権には期待できないのか。民意により政権を取った鳩山政権だが、民意を無視した政策の果てに待っているのは何か。早くも末期症状を呈しているのか。信頼を寄せていた政権に裏切られようとしているのか。鳩山政権の一挙手一投足に注視する必要がある。油断大敵である。

 3月26日、足利再審事件の菅谷さんに対し、宇都宮地裁は無罪判決を言い渡した後、合議体の裁判官3名が謝罪した。謝罪の言葉の中で、裁判長は、「菅家さんの真実の声に十分に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり自由を奪う結果となりましたことを、この事件の公判審理を担当した裁判官として、誠に申し訳なく思います。」と述べたという。
 裁判官は憲法によりその地位の独立が保障されている。憲法第76条3項には『すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。 』と規定されている。裁判官の職務は裁判官の良心に従って行われ、これに制限を加えることができるのは憲法と他の法律のみであるとされている。
 今回の宇都宮地裁裁判官3名の謝罪はその良心に従って行われたものであり、謝罪の言葉の中の「このような取り返しのつかない事態を思うにつけ、二度とこのようなことを起こしてはならないという思いを強くしています。」とのくだりは、担当裁判官の決意ではあるが、それだけにとどまらず、司法全体の覚悟を示したものと言えるのではないだろうか。
 菅谷さんを免罪に陥れた決め手はDNA鑑定と自白であったとされているが、再審ではそのいづれも誤りであったことが指摘されている。
 支援団体は、当時のDNA鑑定鑑定の精度の低さについて早くから指摘されていたにもかかわらず再審請求が認められなかったことについても問題点を指摘している。
 司法制度改革において、裁判の迅速化が求められる中で、誤った裁判における救済においても迅速化が求められることを、この事件の教訓として学ばなければならないと思う。裁判の過ちを救済できるのは裁判所のみなのだから。

 普天間飛行場移設をめぐる動きに、一定の結論が出されようとしている。しかし、その方向性は問題の基本である地元の同意、民意とは程遠い結論になろうとしている。
 昨年8月の衆議院選挙で、「少なくとも県外」との公約(マニフェストに書いてないから公約でないという詭弁は許されない)で政権を取った民主党。その後の対米交渉においても、現行の辺野古沿岸埋立案を断念させるために、沖縄の民意である沖縄の米軍基地の整理縮小、沖縄の基地負担軽減を掲げてきたはずである。ところが、現在まとまっているされるのは、①キャンプシュワーブ陸上案と②勝連沖埋立案である。米国政府は地元住民の同意が得られない案の交渉には応じられないとの姿勢を示しているという。沖縄の民意を盾に交渉を開始したはずが、今度は逆にその民意を盾に米国から反対の姿勢を示されるのはいかにも皮肉である。
 普天間飛行場移設先問題の根本は、普天間飛行場の危険性の除去である。ところが、その解決に、沖縄の経済問題とか、利益誘導とか、はたまた鉄軌道の導入とか、様々な振興策が取りざたされ問題解決の方向性を複雑にしている。沖縄経済の百年の計などと豪語する向きもあるが、普天間飛行場の危険性の除去は急務だ。百年の計など危険性を除去してから考えれば足りる。
 沖縄の取るべき道はただ一つ。外野からの様々な騒音に惑わされることなく、沖縄の民意を主張しつづけることである。
 沖縄の基地負担の軽減は、すなわち住民の身体・生命の危険性の除去である。正義は沖縄の民意にあり、である。

 普天間飛行場移設先の政府案決定期限が迫る中、マスコミ報道は、沖縄にとって気が重くなるものばかりだ。鳩山首相はオバマ大統領にも、駐日大使にも、辺野古沿岸部埋め立ての現行案でいくと言明していたとか、現在政府内で検討されているのはホワイトビーチ沖合埋立案であるとか。他にも検討されているとされるのは、すでに消えたはずのキャンプシュワーブ陸上案等である。いずれも、沖縄にとって、とうてい納得できるものではない。

 仲井真知事が県内移設に拘りを見せたのは、この辺りの政府の動きを懸念したからであろうかと推測する。一度振り上げたこぶしはなかなか下ろせなくなる。この点を懸念したのか。

 これらが事実とすれば、鳩山政権は最初から沖縄の基地負担軽減を考えていなかったことになる。正確に言えば、鳩山政権の考えていた基地負担軽減の意味するところと、沖縄が求める基地負担軽減との間にはかなりのかい離があったということか。

 沖縄の求める基地負担軽減策に本気で取り組む政治家はいないのか。

  国民新党が普天間飛行場移設に関する2案を発表した。しかし、キャンプシュワーブ陸上案・嘉手納統合案のいずれについても、沖縄の民意からは程遠い。仲井真知事もコメントしているとおり「陸上案なんて決まるわけがない。どう見たって僕らがノーだから」だ。嘉手納統合案もしかりである。  しかし、この2案にも気になる部分がある。それは、普天間飛行場に関する部分である。しかも、この部分だけは2案共通である。

 その内容は次のとおりである。   普天間飛行場は原状回復のため、返還ではなく10年間閉鎖。緊急時は米軍使用は可。

 国民新党の本音は、この部分にあるのではないかと推測する。つまり、普天間飛行場は返還しないのである。閉鎖とはいえ、緊急時の使用が可能となれば、基地機能は残ることになる。基地の固定化につながる懸念がある。  これでは、基地負担の軽減は形骸化し、実質的な基地負担は残ることになりはしないか。提案の意図が理解できないと感じたのは私だけではないだろう。

  某紙の日曜評論で、今後の沖縄の基地政策についての提案があったが、私は異なる意見を持っている。同評論によれば、今後の沖縄の基地政策について、普天間飛行場の嘉手納統合を受入れ、その前提として沖縄全体の基地の縮小という実を取るという手法が主張された。たしかに、散在する基地をまとめて、全体としての縮小を図るというのは、一つの案としては理解できる。しかし、これまでの基地政策が基地の整理縮小に至らなかったことや演習の移転が必ずしも飛行機の爆音の軽減につながらない等の現実からすれば、単なる口約束、仮に書面化したとしても、米軍基地の運用がすべて米国に委ねられている現状ではその効果は期待できない。昨年11月7日に沖縄県読谷村で発生した轢き逃げ事件にもみられるように繰り返される米軍人等による事件・事故について日米地位協定の運用の改善はもちろん、同協定の改定作業さえも遅々として進まない現状においては、なおさらである。
 それでは、政権交代を機に動き出した基地負担軽減の方向性に向けて、沖縄は何をすべきか。なすべきことは、沖縄のために何が必要かを徹底的に主張することである。日本防衛、アジアの安定等々・・・、すべての沖縄に関わる環境を排し、沖縄にとって何が必要かを考える。そうでなければ、結局、これまでどおりの基地負担を受け入れざるを得ない環境に置かれてしまうのではないかと危惧する。今、沖縄の民意は一つの方向に向かっている。エゴイストと言われるくらいに沖縄の主張を繰り返すことが必要ではないかと思う。
 沖縄経済の米軍基地関連収入への依存度は決して低くない。それがなければ成り立たないということではないだろうが、それを失うことにより発生する影響が大きいことは想像に難くない。したがって、沖縄のために何が必要かを徹底的に主張することは、つまり、沖縄が覚悟することにもつながり、その決意が求められる。
 現実路線への転換は、進みつつある沖縄の基地負担軽減の速度を減速若しくは停止させる効果しか生まないのではないか。沖縄が選んではならない選択肢の一つであると思う。

  普天間飛行場移設先を巡る問題について、大きな動きがあった。日本側から米国に対して、現行の名護市辺野古沿岸部への移設案の断念を伝えたことが明らかになった。これで、県内移設はなくなった、と思う。報道によれば、うるま市の米軍ホワイトビーチ(ホワイトビーチに関する資料/沖縄県基地対策課作成 こちらをクリック)から沖合の津堅島までの間を埋め立てる案も浮上しているとされているが、同基地は海軍・陸軍が各々の桟橋を有する供用基地であり、そこに海兵隊基地をあらたに建設するというのは無理があるし、嘉手納統合案と同様米国内の状況も含めてクリアーしなければならない問題が多い。更に地元の同意は得られない。
 仲井真知事も国民新党の提案するキャンプシュワーブ陸上案には反対の意向を示しており、嘉手納統合案は論外である。県内移設の前提である、地元の理解は完全に得られないことが明らかになったのであるから、県内移設は完全になくなった。と判断していいだろう。
 それでは、3月中に政府案を提示するという鳩山首相の思惑はどこにあるのか。県外か、国外か。まったく先行きが不透明であるが、TVで見る限りの首相の表情にはゆとりさえ感じられる。夏の参議院選挙も控えて鳩山首相の決断に期待したい。

 普天間飛行場移設について、国民新党は嘉手納統合案とキャンプシュワーブ゙陸上案を提案することを決定したと報じられている。2案とも沖縄の民意からすれば、到底受け入れられないることは明明白白である。にもかかわらず、国民新党がこの案を決定したのは何故なのか。しかも、これらの案を強硬に主張しているのが沖縄選出議員の下地氏であることも理解に苦しむ。

 確かに、2案の前提として、基地爆音の軽減が謳われ、しかも、15年使用期限付きというから外形的にはそれなりの体裁を保っているようにも見える。しかし、15年使用期限と言われて思い出すのは、太田知事を破って初当選した稲嶺知事が、キャンプシュワーブ受入れの条件として 選挙中に打ち出したことがあった受入れ条件である。米国の承諾のない、将来得られるであろう希望に満ちた空手形である。その後、キャンプシュワーブ受入れの条件としての15年使用期限は、いったいどうなったのか。誰か知っている人がいたら教えてほしい。今回の国民新党の案もこの空手形の域を脱していない。

  政治的誤解という言葉があるとう。対立する両者が、互いの主張を受入れないままに、手を結ぶ形だけを整える手法である。相手の主張を受け入れることなく、相手が分かってくれている、若しくは、分かってくれるだろうと解釈し、その解釈について、お互いに何も言わない。対立することが分かっていることがらは無視して、とりあえず、手を結ぶのである。つまりは、問題の先送りである。

 今回の国民新党案は、まさに、悪化しつつあると言われている日米関係をとりあえずとりなすために、将来的希望に満ち満ちた妥協案でお茶を濁そうとしている。そうとしか、私には思えないのだが。

 昨日の定例県議会で仲井真知事は、「県内移設は断らざるを得ないということがあり得る」と述べ、初めて、普天間飛行場を辺野古に移設することについて反対の姿勢を示した。これまで、状況によって県内移設やむなしとの姿勢も垣間見えていた知事の姿勢が、県内移設反対へと舵を切ったことを明言したと言える。

 更に、琉球新報による県内市町村長へのアンケートで、全首長が普天間飛行場の移設先として県外・国外が望ましいとし、県内移設を容認する首長は皆無であることが明らかとなった。

 これで、県内の政界・財界の意向は普天間飛行場の国外・県外移設に固まったといえる。

 政府による普天間飛行場移設先の選定は、昨年8月30日の衆議院選挙及び今年1月24日の名護市長選挙の結果、そして県内政界・財界の状況を踏まえて行われなければならない。

 海上・陸上を含めた辺野古案及び嘉手納統合案は、基地存続の大前提である地域住民の支持を完全に失った。

 期限である5月を待つことなく、早急に政府検討委員会の結論が出されるべきである。

 昨日の新聞で気になる記事を見かけた。普天間飛行場移設先を模索する社民党内部の議論に関する記事である。重野幹事長は「党内で大ゲンカをしてまで(沖縄県以外の)国内に米軍基地を置く道理があるのか」と発言し、同党の案はグアム移転のみとするというのである。

 そもそも、この問題の発端は沖縄県に米軍基地が集中しており、過重な基地負担をどのように軽減するかである。米軍基地を日本全体で負担するという合意が形成されない限り、問題の根本的な解決はない。普天間飛行場移設問題は沖縄の基地負担軽減への一歩であって、普天間が解決すれば一件落着ではないのである。東京から遠く離れた沖縄の米軍基地を、更に遠くのグアムに移すだけで問題は解決しない。今後、更に基地負担の軽減が進められなければならないはずである。

 前記の記事によれば、社民党案をグアム移転のみとする議論がなされたのは沖縄選出の照屋議員が退席した後だったと伝えている。

 沖縄の基地問題に理解を示していると思っていた社民党もこの程度か。との思いが照屋議員によぎったのではないかと推察する。

 問題の本質は何か。普天間飛行場移設問題が単に移設先だけを模索する小手先だけの議論にならないように願いたい。

 2月24日、沖縄県議会において、普天間飛行場の県内移設断念を求める意見書、正式には「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書 」(内容はここをクリック)が原案どおり、全会一致で可決された。これにより沖縄の民意は確実に示された。仲井真知事も表現は異なるが思いは県議会と同じと述べている。

 今後は、普天間飛行場の国外・県外移設により加速することが予想される基地返還の流れにどのように対応するのか、沖縄の将来設計が必要になってくる。跡地利用計画はもちろんのこと、基地関連収入の減少にどのように対応するのか、基地が返還されればパラダイスが訪れるという幻想に陥ることなく、準備を進めることが重要である。

 もめにもめていた沖縄県議会の普天間飛行場の県内移設反対の決議が、全会一致で可決される見通しとなった。沖縄の民意を示す大きな一歩である。決議の正式名称は「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」。

 ちなみにこの意見書は地方自治法99条に規定されている。地方議会の権限の中の一つとして位置付けられている。法的に裏付けされた意見書であり、しかも、全会一致となれば、意見書を提出された政府・関係行政庁は無視することはできないはずである。

 当初、決議への参加を渋っていた会派が決断したことには大きな意味がある。新聞報道にもあるように、残されたのは仲井真知事の決断である。沖縄の先頭に立ってリーダーシップを発揮する知事の英断に期待したい。

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普天間飛行場の辺野古移設阻止(127)
許すなオスプレイ配備(183)
許すなオスプレイ配備2(50)
沖縄の米軍基地(23)
夜間爆音被害の実態 嘉手納・普天間両米軍基地(26)
第4次、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟等訴訟、爆音関連(281)
嘉手納米軍基地の爆音(115)
嘉手納町役場から入手した爆音データより(17)
米軍機(オスプレイ等)事故(56)
普天間基地の爆音の最新情報(16)

電子書籍

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