第3次嘉手納基地爆音差止訴訟の第3回口頭弁論期日が、今日、5月10日(木)午前11時、那覇地方裁判所沖縄支部で行われた。

 今日の裁判には各支部から30人余が傍聴人として裁判に参加した。裁判では、嘉手納基地から発生する爆音被害を立証するため、原告団が作成したDVDが上映された。

 嘉手納基地周辺住民の爆音被害の実態を収めた内容だ。時間にして約20分の内容だが、爆音被害の実態を凝縮した内容となっている。爆音によってインタビューの会話がまったく聞き取れなくなるシーンは衝撃的だ。

 戦後60年、日本復帰から40年を経た現在でも実態は変わらない。この変わらない沖縄の米軍基地の実態に対して、裁判所がどんな判断をくだすのか。

 「静かな夜を返せ」の声は原告のみならず、裁判には参加していない基地周辺住民、全員の願いだ。この訴えに裁判所はどう応えるのか。

 法廷に入れなかった原告のみなさんは午前11時に始まった裁判の行方に注目しながら裁判所近くの広場での集会に臨んだ。

 集会の最後には勝利を誓って新川団長の「団結がんばろー」で気勢をあげた。

 4月20日“ガッティンナラン!沖縄差別4.20集会”が東京の全電通労働会館ホールで行われた。19,20日の要請行動に参加した第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団も同集会に参加した。

 集会では、前宜野湾市長の伊波氏、沖縄平和運動センター事務局長の山城氏の講演の後、沖縄の闘いの現状について、第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団の新川団長、普天間基地訴訟原告団の島田団長、そしてヘリ基地反対協議会の安次富共同代表から報告が行われた。普天間飛行場の辺野古移設やオスプレイの県内配備、そして普天間飛行場の固定化を画策する滑走路工事等、沖縄の民意を無視した政府の動きに対する怒りが示された。そして今が正念場であり、結束して闘いを強化していくことが確認された。 

 さらに、参加団体アピールでは、与那国への自衛隊配備や他の米軍・自衛隊基地での被害状況についての報告がなされ、徐々に戦争準備への足音が聞こえるとの指摘がなされました。

 最後に、勝利を目指して、団結ガンバローで、団結を誓い合いました。

●辺野古新基地建設反対

●普天間基地の即時閉鎖・返還、県外・国外移設

●オスプレイ配備反対

●高江ヘリパッド建設反対

●与那国島への自衛隊配備反対

4.検証作業の責任者は誰
 騒音防止協定は日米両政府間で締結されてものであり、検証作業も、当然、日米両政府が負うべきであるが、実際はそうなっていない。
 日本政府として検証作業義務はどの省庁が担うべきか。
①外務省:外務省は協定締結省庁としての責任を有する。しかし、外務省が率先して検証作業を行ったことはない。
②防衛省:防衛省は米軍への基地提供についての責任を担う。しかし、冒頭にも述べたように防衛省沖縄防衛局は検証作業はできないとしている。
③環境省:「航空機騒音に係る環境基準について」は環境省が定めた基準であるが、米軍機による爆音はその基準を超えている。爆音や排気ガス等による環境破壊は環境省の管轄だ。
④国土交通省:航空機騒音問題としての管轄は国土交通省が担う。
⑤文部省:入学式や卒業式の爆音による妨害など、爆音等が子どもたちの教育環境の破壊という深刻な問題を発生させている原状からすれば、文部省の責任も大きい。
⑥厚生労働省:爆音等による難聴、不眠、高血圧及び精神的不安定、そして排気ガスによるぜんそく、肺気腫等の疾患の発症等の観点からすれば厚生労働省にも責任がある。
 いずれにしても、省庁間で責任の押し付け合いをしている間は爆音等の基地被害の問題解決を図ることはできない。騒音防止協定の効果的運用を図るためにはこの検証作業が不可欠である。

3.協定遵守の検証作業

 騒音防止協定に規定された規制措置には条件が付されそれが米軍の恣意的運用を許し、結果として爆音の抑制どころか激化を招いている。日米両政府が締結した騒音防止協定について、その内容が遵守されているかの検証作業は、平成8年締結以降されていなに違いない。冒頭に紹介した沖縄防衛局の認識からすれば、推して知るべしである。
 検証すべきは、規制措置が運用上実施されているのか否か。仮に実施されているとして爆音等の基地被害が減少しているか否かである。
 更に、協定には基地司令官の責任が次のように謳われている。
①可能な限り航空機騒音を最小限にする
②騒音規制措置を常時見直す
③パイロットへの教育
④騒音問題や規制措置について注意を払う
⑤騒音問題や規制措置について地方公共団体や国の機関と緊密な連絡を取る
⑥騒音問題に係るいかなる連絡事項も那覇防衛施設局に前もって通知する
 これらの事項について、基地司令官が遵守しているかの検証作業も必要だ。

【基地司令官の責任に関する協定上の規定】

4 責任:司令官は以下の事項が行われることを確保する。
a 航空機の安全性及び運用上の所要と両立する範囲で、実現可能な限り航空機騒音を最小限にするよう、管理下にある航空機を運用する。
b できる限り住民への迷惑を軽減するために場周経路及び現行の騒音規制措置を常時見直す。
c 嘉手納飛行場において活動するパイロットに対し、航空機騒音が敏感に受け止められていることを理解させ、問題を最小限にする現実的な規制措置について認識させる。
d パイロットに上記3.に述べられている措置を遵守させる。

5 対外関係
a 第18航空団司令官、その部下及び嘉手納飛行場を使用する飛行部隊司令官は、騒音問題及び規制措置について厳重な注意を払うものとする。この意味で、住民の理解と相互協力の促進を図るため、地方公共団体及び国の行政機関の地方支分部局と緊密な連絡をとる。
b 第18航空団司令官は、地元公共団体又は地域住民に対する現地の騒音問題に係るいかなる連絡事項も那覇防衛施設局に前もって通知するよう最大限努力する。

 今日(4.6)付け琉球新報に信じられない記事が掲載された。嘉手納町内にある2小1中の入学式当日(4月10日)に飛行訓練を計画しているというのである。

嘉手納基地、入学式当日に飛行計画 議員が中止要望(琉球新報)

嘉手納町議会 即応訓練中止など求める(QAB)

 4月10日は、午前に屋良・嘉手納両小学校が、午後には嘉手納中学校の入学式が行われる。

 爆音による学校行事の妨害はこれまでも、何度も繰り返されてきた。先月の屋良・嘉手納両小学校の卒業式にも爆音が鳴り響き、保護者や学校関係者らの大きな怒りを招いた。

 昼間はもちろん、夜間・深夜・早朝におけるエンジン調整や離発着等による爆音による環境破壊が日常化している現状を受けて、先月30日には嘉手納町PTA連合会が田中防相や嘉手納町長宛て要請を行った。その席でも、入学式は静かな環境で児童生徒の門出を祝うことができるように米軍機の離発着・エンジン調整を控えるよう要請したばかりである。ちなみに、卒業式や入学式等の日程は年度当初に米軍に伝達されているはずである。

 にもかかわらず、飛行計画を実施する予定であるという。大きな怒りを感じる。

 運行制限ではなく、飛行・エンジン調整等をすべて中止すべきである。

【田中防衛大臣あて要請書】

平成24年3月30日 

防衛大臣 田中直紀 殿 

               嘉手納町PTA連合会会長 伊敷 猛

                嘉手納町立

                 屋良幼稚園・小学校PTA会長

                        照屋唯和男

                 嘉手納小学校PTA会長 谷久知博幸

                 嘉手納中学校PTA会長 福地義広 

子どもたちの教育環境の保全を求める要請書 

 私ども嘉手納町PTA連合会は、嘉手納町内に存する2小学校、1中学校のPTAで構成する組織です。子どもたちの健やかな成長を願い、教育環境を保全することをPTAの使命として活動しておりますが、昨今の嘉手納基地から発生する爆音及び排気ガス等の状況は、子どもたちの教育環境と呼ぶにはあまりにも酷い異常な状況です。昼間の爆音もさることながら、夜間・深夜・早朝におけるエンジン調整・充電・離発着等による爆音による環境破壊が日常化しています。

 子どもたちの教育環境保全の立場から、下記の事項について要請します。

①航空機の離発着回数を制限すること

②航空機のエンジン調整等はすべて消音施設等(サイレンサー)を使用するか、住民地域から離れた滑走路東側で行うこと。

③午後7時翌午前7時までの間、爆音を発生させるすべての航空機の飛行活動及びエンジン調整等を行わないこと。

④航空機・ヘリコプター等すべての機種の飛行にあたっては、住民居住地域上空は飛行しないこと。

⑤航空機等の排気ガスが民間地域へ流出しないようにすること。

⑥入学式や卒業式、運動会、学習発表会等の学校行事が開催される場合は、航空機等の離発着及びエンジン調整等の爆音を発生させないこと。

⑦その他爆音及び排気ガス等の発生を抑制し子どもたちの教育環境の保全に努めること。

【嘉手納町長、教育委員長宛て】

平成24年3月30日

 嘉手納町長 當山 宏 殿 

 嘉手納町教育委員会委員長 吉田定信 殿 

            

             嘉手納町PTA連合会会長 伊敷 猛

              嘉手納町立

               屋良幼稚園・小学校PTA会長

                      照屋唯和男

               嘉手納小学校PTA会長 谷久知博幸

               嘉手納中学校PTA会長 福地義広  

子どもたちの教育環境の保全を求める要請書 

 私ども嘉手納町PTA連合会は、嘉手納町内に存する2小学校、1中学校のPTAで構成する組織です。子どもたちの健やかな成長を願い、教育環境を保全することをPTAの使命として活動しておりますが、昨今の嘉手納基地から発生する爆音及び排気ガス等の状況は、子どもたちの教育環境と呼ぶにはあまりにも酷い異常な状況です。昼間の爆音もさることながら、夜間・深夜・早朝におけるエンジン調整・充電・離発着等による爆音による環境破壊が日常化しています。

 子どもたちの教育環境保全の立場から、防衛省、外務省及び米国政府等の各関係機関への働きかけ・要請等を行い、下記事項の実現に向けて御尽力いただきますよう要請します。

①航空機の離発着回数を制限すること

②航空機のエンジン調整等はすべて消音施設等(サイレンサー)を使用するか、住民地域から離れた滑走路東側で行うこと。

③午後7時翌午前7時までの間、爆音を発生させるすべての航空機の飛行活動及びエンジン調整等を行わないこと。

④航空機・ヘリコプター等すべての機種の飛行にあたっては、住民居住地域上空は飛行しないこと。

⑤航空機等の排気ガスが民間地域へ流出しないようにすること。

⑥入学式や卒業式、運動会、学習発表会等の学校行事が開催される場合は、航空機等の離発着及びエンジン調整等の爆音を発生させないこと。

⑦その他爆音及び排気ガス等の発生を抑制し子どもたちの教育環境の保全に努めること。

  昨日、3月30日午前10時30分、普天間爆音訴訟団(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団)が提訴した第2次普天間基地爆音訴訟。その元凶である普天間飛行場。同飛行場を視察した当時のラムズフェルド国務長官は「世界一危険な飛行場」と称した。その状況についての映像を掲載した。

1.Qリポート 「普天間」の騒音と危険性(QAB 動画)

2.普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校運動場からの映像

3.普天間飛行場騒音実態映像

4.戦闘機飛来で爆音 普天間の騒音 過去最大レベルに

 防衛省沖縄防衛局は、平成8年に日米間で締結された騒音防止協定を、米軍が遵守しているか否かの検証作業するのは不可能として、地域住民の生命・健康を守る義務を放棄している。それどころか、騒音防止協定の内容について米軍は遵守しているとする立場であると明言している。外務省も同様である。

 第1次普天間爆音訴訟控訴審判決において、福岡高裁那覇支部は、過去の嘉手納基地爆音訴訟で、これまで「司法判断が3度も示されているのに、抜本的な対策を講じていない上、自ら定めた環境基準も達成していない」として、国の姿勢を厳しく指摘した。

 今回の訴訟においては、更に踏み込んだ司法判断が出されることを、心から期待したい。 

 普天間爆音訴訟団(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団)は、今日3月30日午前10時30分、第2次普天間基地爆音訴訟を提訴した。

 原告数3129名。第3次嘉手納基地爆音差止訴訟につづいて、沖縄の基地被害を訴えるマンモス訴訟が提訴された。

 同訴訟では、被告(国)に対し以下の事項を請求している。(本日付け沖縄タイムスを参考)

1.夜間爆音について

 毎日午後7:00〜翌午前7:00までの間、普天間飛行場から生じる40db(デシベル)を越える一切の爆音を、原告ら居住地域に到達させてはならない。

2.昼間爆音について

 毎日午前7:00〜午後7:00までの間、普天間飛行場から生じる65db(デシベル)を越える一切の爆音を、原告ら居住地域に到達させてはならない。

3.損害賠償請求について

 ①過去分として、各原告に89万8112円(1次訴訟参加者)、124万2千円(同不参加者)

 ②将来分として、各原告に1ヵ月当たり3万4500円

 本訴訟では米軍機の飛行差し止めを求めていないが、以下の表にもあるとおり40dbは深夜の静かな状況の音の値であり、65dbは普通の会話の値である。実質的には飛行差し止めを求める内容となっている。

 沖縄の基地被害を訴えるマンモス住民訴訟が2つ出揃った。

 同訴訟の提起は、今後の沖縄の基地被害除去に向けた運動の大きなうねりとなるに違いない。

騒音の影響.jpg

 普天間爆音訴訟団(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団)は、明日3月30日、那覇地方裁判所沖縄支部へ提訴する。同訴訟は原告数3129名でいったん提訴。その後も原告団の募集を継続し、今夏にも追加提訴する方針だ。

 同訴訟団は、昨年8月ごろから対象自治会での説明会を実施し、原告を募ってきた。対象地域は宜野湾市内だけでなく、浦添市(牧港ハイツ、安川団地)、北中城村(安谷屋、石平)も含まれている。当初の目標を2000名としていたが、その約1.5倍の原告数で提訴する。基地被害への関心の高さが伺われる。

 明日は、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団からも、訴提起の応援に参加する予定だ。私も参加予定である。明日は、訴提起の状況について報告したい。

 普天間爆音訴訟団(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団)。同訴訟団は、3月30日の那覇地裁沖縄支部への提訴準備を進めているが、昨日24日訴訟団結成総会・支援集会を開いた。

 同訴訟は原告数3129名でいったん提訴。その後も原告団の募集を継続し、今夏にも追加提訴する方針だ。 

 提訴の内容は、普天間飛行場から発生する爆音について午後7時〜午前7時までは40デシベル、同7時〜午後7時までは65デシベルの騒音を基地周辺の住宅地に到達させてはならないこと、爆音による損害賠償金として1人当たり月額3万4500円、総額約51億円などを求めている。

 “もの言わぬ民は滅びる”。被害を受けている住民自らが声を挙げ続けることが重要だ。

普天間爆音 2次訴訟団結成(沖縄タイムス)

第2次普天間爆音訴訟 飛行差し止め求め気勢、訴訟団が結成総会(琉球新報)

普天間訴訟団が結成(NHK沖縄)

 一昨日のことである。嘉手納米軍基地に隣接する嘉手納町立屋良小学校、嘉手納小学校で卒業式が行われた。小学校6年間の最後飾る卒業式だ。ところが卒業式の最中に基地からの爆音が響いた。

 私も屋良小学校の式典に参加していたが、子どもたちが卒業の歌を唄っているときに爆音が聞こえた。そして、式典が終了し、卒業生が花道を歩く時間には、こんどは戦闘機が爆音を撒き散らし飛び立っていった。

 「嘉手納小の式典に出席した當山宏町長は「飛行はないものだと思っていたので残念。2時間ほども我慢できないのか」と話し、抗議を検討する考えを示した。」という。

 無遠慮・無配慮な米軍の態度には、私も含め多くの人が怒りを覚えた。

卒業式に爆音 嘉手納で90デシベル(沖縄タイムス)

嘉手納騒音が激化 小学校卒業式、地元要請を無視(琉球新報)

 嘉手納基地から発生する爆音の状況については、嘉手納町が独自に観測し、その結果を公表している。以下の資料・写真は嘉手納町HM『基地と嘉手納』(クリックで資料へ)』からの転載である。

 年間の騒音発生回数は年間約4万回。1日平均約110回。1時間当たり約4.5回の発生回数。13分に1回の割合で爆音が発生している計算である。すなわち、周辺住民は、昼夜・深夜・早朝を問わず爆音に晒されている現状が浮き彫りになる。

 更に、100dbを越える爆音が観測されているが、この100dbの音の健康被害については下表にもあるとおり長時間晒されると難聴になるとされるレベルである。60〜70dbの爆音には常時晒されており高血圧を発症するとされている。

 一昨年7月に言い渡された普天間基地爆音訴訟控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は「司法判断が3度も示されているのに、抜本的な対策を講じていない上、自ら定めた環境基準も達成していない」と指摘しているが、この状況は嘉手納基地にもあてはまる。

 表の下段の「年平均 WECPNL」とは国の定める環境基準(クリックで環境省HMへ)であるが、それによれば住民地域は70、住民地域外の保全地域は75と定めている。これを嘉手納町にあてはめれば環境基準とはかけ離れた数値となっていることが分かる。

 それでも日本政府は改善策を講じようとせず、それどころか普天間基地統合やオスプレイ配備を進めようとしている。

 住民自らが立ち上がり改善していく以外に方法はない。 

【平成17年〜平成22年騒音発生回数等】

騒音回数H17〜H22.jpg
  平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
年間発生回数 37,877 38,731 32,549 39,357 39,785 39,204
月平均発生回数 3,156 3,228 2,712 3,280 3,315 3,267
1日平均発生回数 107 109 91 110 113 111
1日平均累積時間 42分27秒 37分45秒 35分51秒 34分58秒 34分5秒 40分28秒
年間最高音 106.4dB 107.0dB 105.7dB 106.7dB 108.0dB 107.4dB
年平均 WECPNL 83.2 84.4 81.4 82.3 83.1 85.6
騒音の影響.jpg

 嘉手納米軍基地は、嘉手納町有面積の83%を占め、沖縄市及び北谷町にもまたがる極東最大の米軍基地である。嘉手納町の住民は町面積のわずか17%の地域での生活を強いられている。以下の写真は嘉手納町HM『基地と嘉手納』からの転載である。どれほど広大で、住民地域に隣接している危険な基地であるかが理解できる。 

 嘉手納基地は南北に4,000メートル級の2本の滑走路を有し、昼夜・深夜・早朝を問わない航空機やヘリの離発着、エンジン調整及び充電等の爆音を発生させている。加えてエンジン排気ガス等の被害も発生させており、嘉手納町及び周辺自治体住民に重大な健康被害を発生させている。

 これらを受けて昨年4月に第3次嘉手納基地爆音訴訟が提訴された。原告総数2万2058名。うち嘉手納町住民の数は4916名。実に嘉手納町住民(約1万4000名)の35%が参加している。住民の被害状況が伺われる。

 嘉手納基地爆音訴訟や横田基地訴訟等の全国で確定した米軍機爆音訴訟の賠償金については、日米地位協定18条で米国がその75%を負担することになっている。

 その負担分について、昨日、17日の衆議院予算委員会で、玄葉外相は、米国から支払われていないことを明らかにした。沖縄県選出の照屋寛徳議員の質問に答えた内容だ。

 日米地位協定18条には次のように記載されている。(詳細はクリックで外務省HMへ)

5 公務執行中の合衆国軍隊の構成員・・合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、日本国において日本国政府以外の第三者に損害を与え・・生ずる請求権・・は、日本国が次の規定に従つて処理する。

・・

(c) 前記の支払(合意による解決・・裁判所による裁判に従つてされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない旨の日本国の権限のある裁判所による確定した裁判は、両当事国に対し拘束力を有する最終的のものとする。

・・

(e) (a)から(d)まで及び2の規定に従い請求を満たすために要した費用は、両当事国が次のとおり分担する。

(i) 合衆国のみが責任を有する場合には、・・その二十五パーセントを日本国が、その七十五パーセントを合衆国が分担する。

(ii) 日本国及び合衆国が損害について責任を有する場合には、・・両当事国が均等に分担する。・・責任として特定することができない場合には、・・日本国及び合衆国が均等に分担する。

 日本政府が支払った損害賠償額は202億円にのぼる。玄葉外相は「協議を重ねてきているが、妥結をみていないということだ。」と述べいる。しかし、地位協定18条には「・・分担する。」と規定されており、協議するとは記載されていない。

 沖縄が改定を求める不平等地位協定ではあるが、その中でも日本に請求権が認められながらもそれを行使しない、若しくは行使できない状況は不可解としか言いようがない。

 米軍基地から発生する爆音について、裁判所が違法性を認定し損害賠償額の支払いを命じたとしても、自分の懐が痛まなければ、誰がそれを改めようと考えるだろうか。日本政府が米国へ賠償額の負担分を請求しなければ、沖縄の爆音被害は軽減できない。

 昨年4月28日に提訴された第3次嘉手納基地爆音差止訴訟の原告数は2万2058名。さらに3月には原告数3000名超の第2次普天間爆音訴訟が提訴される。

 日本政府は腰を据えて米国へ請求すべきである。

 「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」が、23日から26日までの要請行動を終えて、28日帰沖した。

 今回の訪米により、沖縄の民意が米国に伝えられたと同時に、米国議会・政府の中に沖縄の民意が必ずしも正しく伝わっていないことも判明した。

 沖縄の民意を正しく伝えるためにも、さらに行動を強化していく必要がある。

「沖縄の声届けた」 訪米団帰沖(沖縄タイムス)

訪米要請行動 直接伝える意義は大きい(琉球新報 社説)

基地被害訴えた訪米団が帰沖(NHK沖縄)※1.30追加

 「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」訪米に関する報道が熱気を帯びている。米国の様々な層に沖縄の声が届いている証だ。

 時事通信社のネット記事によれば、現地で記者会見した今訪米団の団長山内参院議員は「基地を(現在地に)固定化し、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備すれば、沖縄県民はゼネスト的抵抗を起こし、自らの人権や命を守るため立ち上がる決意だ」と述べた。

 仲井真知事は、昨年9月19日、ワシントン大学で開催された「沖縄クエスチョン」で次のように演説した。

沖縄の状況を無視した辺野古への強行は、全県的な激しい基地反対運動に繋がり、日米安全保障体制に悪影響を及ぼしかねず、沖縄県民と沖縄の米軍との関係を決定的に悪化させる恐れも否定できない。

 山内参議院議員と仲井真知事の発言は、正に沖縄の民意を示した内容である。

 普天間飛行場移設問題を含めた沖縄の基地問題全般の解決が実行されなければ、沖縄の民意に応えることはできない。

 日米両政府ともに、このことを肝に銘じるべきである。

普天間固定化ならゼネスト=社民・山内氏(時事ドットコム)

市民団体、米国務・国防担当部長に直訴(沖縄タイムス)

県議選結果で判断 イノウエ米上院歳出委員長が言明(琉球新報)

米要請「人権に焦点を」 リベラル運動家パークさん(同)

 1月21日に出発した「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」。会の行動は米国各地で波紋を呼んでいる。

 野田首相は1月24日の所信表明演説で「日米同盟は、わが国の外交・安全保障の基軸にとどまらず、アジア太平洋地域、そして世界の安定と繁栄のための公共財です。」と述べた。日米同盟が「世界の公共財」であるとの主張はそれが正しい認識であるとは思わないが、仮にそれがある程度の正当性を有すると仮定しても、その維持のために沖縄が被ってきた損害を正当化するものとは到底言えない。

 米国が民主主義を標榜するのであれば、沖縄の民意を無視したこれ以上の犠牲を沖縄に強いることは許されないことに気付くべきである。

 「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」の今回の訪米が米国にこれを気付かせる機会となると確信する。 

米議員「戦後67年も駐留 信じがたい」(沖縄タイムス)

米紙に意見広告「普天間は世界一危険」(同)

「在沖海兵隊は不要」 米与党議員、大統領進言へ(琉球新報)

過重な基地 国連提起へ 元海兵隊員と全米女性連盟創設者(同)

「辺野古移設に反対」 米紙ネットに市民団体広告(同)

 今回の「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」の訪米には、第3次嘉手納基地爆音訴訟団から3名の原告が参加している。

 普天間飛行場を県外・国外へという沖縄の民意が、明確に示されている中で、あくまでも辺野古案に拘る日米両政府。基地問題解決に向けて風穴をあけるために、地元沖縄から訪米団を派遣した。

 訪米の目的は①普天間飛行場の県外・国外移設②オスプレイ配備反対③嘉手納統合案反対④高江のヘリパッド建設反対⑤日米地位協定の改定等、沖縄の抱える基地問題の解決を求める内容となっている。要請期間は1月23日から26日まで、要請先はホワイトハウスを始めとした政府機関をはじめとして、連邦議会、シンクタンク、平和環境団体等を予定しているという。

 報道によれば、昨年9月に訪米した仲井真知事から今回の訪米の結果について話を聞かせて欲しいとの要請があったという。来月には稲嶺名護市長が、訪米予定とも報道されている。

 オール沖縄での基地問題解決の動きは確実に昇華しつつある。

米軍基地に苦しむ 「沖縄の声を届ける会」訪米(QAB 動画)

「基地」直訴へ訪米団出発(沖縄タイムス)

「基地解決の情報得たい」 訪米団が知事と面会(琉球新報)

「基地いらない」米で訴え 沖縄の声届ける会壮行会(同)

 第3次嘉手納基地爆音差止訴訟の第2回口頭弁論期日が、昨日、1月19日(木)午前11時、那覇地方裁判所沖縄支部で行われました。

 今期日では、戦前戦後を通じた嘉手納基地の成り立ち、すなわち戦前の日本軍収用に始まり、戦後の米軍統治下の銃剣とブルによる収奪。そして、復帰後も強いられる基地負担の現状等まとめた準備書面を裁判書に提出しました。

 嘉手納基地の爆音被害を語るとき、基地建設のための土地収奪の歴史は極めて重要です。嘉手納基地の成り立ち事態が違法行為により出発しており、そこから派生する基地被害への怒りが今回の訴訟の根源であることを国に示すことは重要です。

 また、裁判の事前集会においては、喜納民主党県連代表代行による嘉手納統合案に対する抗議声明が決議されました。

 新川団長は事前集会のあいさつの中で、(喜納氏について)沖縄市で生まれ・育った、しかもかつては参議院をも務めたことのある人間がこのような案を提案することは言語道断であると厳しく糾弾しました。正に、原告団全員の思いを代弁しています。

 様々に政治状況が変化する中で、嘉手納基地爆音差止訴訟団の運動は極めて重要です。

 裁判の勝利に向けて団結して頑張りましょう。

  事前集会の様子                裁判所に集結した原告団のみなさん

第3次嘉手納爆音訴訟 原告団「嘉手納統合案」に抗議声明(QAB 動画)

騒音 犠牲と差別の結果と訴え(NHK沖縄)

 普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団(普天間爆音訴訟団)。原告数が、1月5日現在で3000名を突破していることが分かった。

 昨年11月17日から原告募集を実施してきたが、目標の2000名を上回る3000名超が原告として参加する。普天間飛行場の移設問題に加え、オスプレイ配備が取りざたれている現状への住民の不満が浮き彫りになった。

 普天間爆音2次訴訟が提訴されれば、嘉手納・普天間両基地周辺住民が立ち上がった巨大訴訟が揃うことになり、日米両政府は、更に沖縄の民意を無視できない状況に追い込まれることになる。

今年3月 第2普天間訴訟提訴へ(QAB 動画)

普天間爆音2次訴訟 原告3000人超(沖縄タイムス)

第2次普天間爆音訴訟 原告3000人を超える(RBC)

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
090-8666-1195

沖縄県の中部嘉手納町で行政書士事務所を開設しています。日常生活の中で悩みはなかなか尽きないもの。しかし、どんな問題にも解決の糸口があるはずです。離婚、相続、遺産分割、遺言書の作成、建設業許可に関わる問題等々・・・。あなたのお悩みに最適な解決方法を提案します。
当サイトでは、まず、悩み解決に向けての情報提供ができればと考えています。問題の所在が分かれば、解決に向けての情報収集が必要です。その一助になればと考えています。参考にしていただければ幸いです。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

090-8666-1195

プロフィール

HM用縮小 DSC_1188.jpg

こんにちは、行政書士の福地義広です。あなたのお悩みに最適な解決方法を提案します。
登録番号  第08471847号
1960年(昭和35年)11月21日生まれ
家族:両親、妻、息子3人
プロフィールの詳細は代表者あいさつに掲載しました。よろしくお願いします。  

福地行政書士事務所

住所

〒904-0203
沖縄県中頭郡嘉手納町字嘉手納122-1

新着記事一覧

ページ一覧

フクチ義広後援会(29)
新型コロナウイルス感染関係(21)
PFOS等汚染問題(25)
沖縄差別の実態(25)
米軍の違反パラシュート降下訓練(16)
2.24県民投票(36)
沖縄の民意圧殺を許すな!!!~行動、選挙支援等~(19)
辺野古埋立承認撤回(2018.8.31)(20)
新ページ追加(12)
朝鮮半島平和構築(7)
名護市長選挙(2018年2月4日)(9)
2018.9.30沖縄県知事選挙、10.14豊見城市長選挙、10.21那覇市長選挙(20)
緑ヶ丘保育園・普天間第2小学校(宜野湾市在)への米軍ヘリ落下物事故(31)
うるま市伊計島、読谷村儀間、渡名喜島での米軍ヘリ不時着事故。さらに伊計島でのオスプレイのエンジンカバー落下事故。(8)
米軍ヘリ落下物事故、墜落、不時着等を受けての政府の対応(18)
お勧め記事(111)
新着案内(158)
トップページ(25)
書籍・新聞等からの資料(23)
代表者あいさつとプロフィール(2)
業務案内(20)
顧問契約(相談業務)(1)
離婚関係(1)
相続関係(1)
事業関係(8)
遺言書(18)
問題解決プログラム(1)
契約書等のひな型(7)
離婚(5)
遺産相続(4)
借金(2)
情報提供(7)
裁判員制度(6)
判例・裁判関連報道等(35)
成年後見制度(2)
お客様の声、質問(50)
代執行訴訟、違法確認訴訟等これまでの経緯(翁長知事 辺野古新基地建設阻止)(257)
集団的自衛権行使は憲法違反。安保関連法案を廃案にせよ。(17)
辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止行動(キャンプシュワーブ・高江等)(57)
名護市辺野古海域の埋立は人類に対する犯罪だ。美しい辺野古の海を守りましょう!!!(11)
普天間飛行場の辺野古移設阻止(127)
許すなオスプレイ配備(183)
許すなオスプレイ配備2(50)
沖縄の米軍基地(23)
夜間爆音被害の実態 嘉手納・普天間両米軍基地(26)
第4次、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟等訴訟、爆音関連(281)
嘉手納米軍基地の爆音(115)
嘉手納町役場から入手した爆音データより(17)
米軍機(オスプレイ等)事故(56)
普天間基地の爆音の最新情報(16)

電子書籍

しあわせ講話集
☆▼☆
早川一光講話集 CD全12巻

△☆▼☆寂聴さんのおもしろ法話。聴いて、笑って、元気になる! 「瀬戸内寂聴・京都法話集 CD全12巻
☆▼☆△渡辺先生の愛と幸せに満ちたお話 「渡辺和子講話集 CD全12巻
☆▼☆いのちの輝きが教えてくれる豊かな明日への道しるべ 「いのちを見つめて CD全12巻
☆▼☆京都の名物医師・早川先生の元気いっぱい講話集 「早川一光講話集 CD全12巻
☆▼☆実り豊かな毎日へとあなたを導く名講話集 「現代に生きる CD全12巻
☆▼☆日本文化を大切に…高田好胤師の説得力ある法話集 「高田好胤法話集 CD全12巻☆▼☆▲松原先生百歳記念講話集!心豊かな人生を送る秘訣 「松原泰道講話集 CD全14巻▼☆▼☆カマタ流!しあわせに生きる秘訣 「鎌田實講話集 CD全12巻
▲☆▼☆各宗派15人の名僧との対談をたっぷり収録。仏教の面白さがよくわかる 「ひろさちやの仏教探訪 CD全16巻☆▼☆▼”おもしろ法話”がDVD 「瀬戸内寂聴・天台寺法話集 DVD全10巻
▲☆▼☆在宅ホスピス医・内藤いづみ先生が語る、「しあわせに生きる方法」とは 「内藤いづみ講話集 CD全12巻☆▼☆▼“医療の本質はやさしさ”を実践したナースが語る 「石垣靖子講話集 CD全12巻☆▼☆▲釈尊の教えであなたの今日がイキイキと輝きます 「釈尊に学ぶ生き方 CD全12巻▼☆▼☆相田みつをの、書とはまた一味違う貴重な講演集 「相田みつを講演集 CD全10巻☆▼☆▲元気が出る!人生がラクになる!珠玉のことば134 「相田みつを作品集 全2巻☆▼☆▼こころ豊かに人生を生きるには? やすらぎの12話。 「酒井大岳講話集 CD全12巻
▲☆▼☆日本を代表する尼僧が語る、仏教の真髄 「青山俊董講話集 CD全12巻
▼☆▼☆季節の行事には人生のヒントがいっぱい! 「ひろさちやの日本人の神さま仏さま CD全12巻☆▼☆▲